MDNを翻訳する時に知っておくべき7つのこと(’16)

この記事はMDNやB2G OSのドキュメントをみんなで編集!翻訳! Advent Calendar 2016 - Adventarの 1日目の記事です。
明日は空席で…明後日は YuichiNukiyamaさん の[nourl:title](公開を待ちましょう)です。

さて、いよいよ12月。古い言い方だと師走、英語だとDecemberです。
このカレンダーももう3年目になりました。
MDNやFirefox OSのドキュメントをみんなで翻訳! Advent Calendar 2015 - Adventar2015
MDNやFirefox OSのドキュメントをみんなで翻訳! Advent Calendar 2014 - Adventar2014
もともとはFirefox OSのカレンダーが超人気で、関連する翻訳とかにも書く人いるのでは?と思って
いわゆる言い出しっぺの法則で立ち上げたような気がしています。

今年のポイントとしては、一旦和訳(l10n=localization)済みのコンテンツを、もう少し読みやすく編集・校正してもらう立場の人にも入ってもらうことにしたことでしょうか。
OSCとかで「英語ドキュメントを翻訳してるんです」とか言うと
「私は英語ニガテなんでちょっと…」と避け気味のレスをもらう事も多いです。
この業界にいると英語ができるに越したことはないですが、こと貢献については英語は必須ではありません。例えば句読点(「、」や「。」)をつけたりとったり、また誤字などを訂正・校正するのも、後に続く人には大きな貢献になります。

あとMDNについて言うと、認証方法がGithubに一本化されました。
これまではMozilla独自のPersonaというやつでもログインできましたが、11月からPersonaのサポートが終わってGithubのみになりました。個人的にはPersonaを使ってたのですが、人に説明する上ではシンプルになりましたね。

また個人的に大きなトピックとして、Firefox OSが転換期を迎えてB2G OSに変わったとこでしょうか。Geckoが悪くはないのですが、やはりフォクすけほどのかわいさ、要するにモフモフがないのは残念です。まぁコミュニティベースになって触りたい人が触り続けられるのはOSSコミュニティならではですね。

さていろんな前置きが出てきましたが、本文では2年前の記事を焼き直してみたいと思います。
元ネタは(MDNを翻訳する時に知っておくべき7つのこと - Uemmra3のフルスタックエンジニア?日記)です。

  1. 1.Githubでログインする

まずはMDNにログインすることが必要です。Githubのアカウントを使って認証する事ができます。
ログインした後に、上部の右端あたりの"編集"ボタンを押すと、そのページの編集が開始できます。操作方法は直感的に分かりますが、この↓ページに詳しく載っています。
MDN ページの翻訳 - MDN プロジェクト | MDN

  1. 2.用語集

訳すうちにどんな技術用語をあてはめるか、迷う事が出てくると思います。決まった用語であれば
Mozilla L10N Glossary · mozilla-japan/translation Wiki · GitHub か、
Firefox OS Glossary · mozilla-japan/translation Wiki · GitHub に載っています。
前者がMozillaの翻訳一般について、後者がB2G OSについてです。用語集の編集もできます。
例えば、B2G OS関連で "geolocation"は "地理位置情報" ではなく "位置情報" と訳します。
必要以上に神経質にならなくてもよいかと思いますが、人によって使う言葉が違ったりすると混乱の元になります。用語を揃えて読み易くするために、ざっと読んでおくと良いかと思います。

  1. 3.訳語に迷ったらとりあえず"カタカナ"にしてみる。

とはいえ、実際には用語集に入っていない項目もあります。変に訳して誤訳になるよりは、まずは英語の読みをカタカナにしてみるのもいいでしょう。後で見直したり、他の人のレビューを受けるのにもカタカナなら対応が分かり易くなるでしょう。ただしカタカナだらけになっては翻訳の意味がないのでほどほどに。。

  1. 4.バージョン管理

"編集"ボタンの右の歯車のアイコンをクリックすると、詳細メニューが開きます。ここで"履歴"を選択すると、そのページの編集履歴を見ることができます。リビジョンの保存日時、編集者、(あれば)リビジョンコメントが表示されます。例えばこんな感じ↓。
https://developer.mozilla.org/ja/Firefox_OS/Building_and_installing_Firefox_OS/Firefox_OS_build_overview$history
ここではあるリビジョンと他のリビジョンの比較ができます。"前へ"のリンクで直前のリビジョンとの比較もできます。また編集を失敗した時などには、特定のリビジョンに戻す事もできます。
リビジョンコメントは後で編集できないので、保存する時にメモ程度でも書いた方が良いでしょう。

  1. 5."Mozilla 翻訳グループ"のメーリングリスト

Mozilla翻訳グループというML(Google グループ)があります。
MDNを含めたMozillaドキュメントの翻訳に関する疑問や質問はこちらで問い合わせする事ができます。Twitterとかで聞くこともできますが、Mozillaの翻訳関連で広く聞くにはこちらになるようです。

  1. 6.編集ページの一番下のもろもろはどう使うのか?

"翻訳途中"と書かれた"ローカライズフラグ"があります。一通りの翻訳が終わった(未訳の英語が残ってない)時にチェックボックスのチェックを外すと良いでしょう。
このほかに"技術レビュー"や"編集レビュー"のフラグがあります。特に重要なページや、翻訳に自信のないページの翻訳が完了したら、"編集レビュー"を受けると良いでしょう。チェックを付けるだけではなかなか気づいてもらえないので、前述の"Mozilla 翻訳グループ"のMLにもレビュー依頼を投げると良いでしょう。
前述のリビジョンコメントの入力欄もありますので簡単に入力しておくと良いでしょう。ただし保存ポタンは一番下の場所以外に、一番上にもありますが、そこにはリビジョンコメント入力欄などはありません。スクロールさせるのが面倒なので、個人的にはVimperatorプラグインを使っています。HTMLエディターからフォーカスを外した状態で "Shift + G" の操作で最下部に移動できます。逆に一番上に飛ぶ時は"gg"で移動しています。

  1. 7.全体の進捗状況とか

上の方の、Githubアカウントの左に、「ツール」メニューがあって、クリックすると「ドキュメント翻訳状況」というリンクが出てきます。このページでドキュメントの全体の翻訳状況がわかります。
あとMDNに排他制御はありません。つまり別の人が同時に編集していたら後に保存した内容が全て残ります。
最初に編集していた人は悲しいので、そうしたムダをなくすため、GithubのIssue(https://github.com/mozilla-japan/translation/issues)にて管理しています。MUSTではありませんが、こうしたものを活用して効率的な貢献ができると良いですね。

クリスマスもあと24日に近づいて来ました。ビールやシャンパンを煽って、今年の締めにしたいです。
いろんなイベントや、いろんな人との出会いがありましたが、これからもウェブがより使いやすいものになって行く事を祈ります。